個人的文具超マスト本「文房具を買いに」発刊から約5年半。
続編がひっそーりと発売されました。
著者自ら撮影した文具写真と、それらにまつわるエピソードを綴るという
基本フォーマットはそのままに、さらに買い足し続けた文具を紹介しています。
著者は作家という職業でありますが、
ある意味、道具の定説ともいえる 「作家 = 万年筆 & 原稿用紙」 。
「万年筆」は前作の写真にほんのちょろっと写っているだけ。(本作では皆無)
さらに「原稿用紙」に関しては前作、本作通して全く触れられていない(※)という、
読み手によっては若干のフェイントを喰らう内容かもしれません。
しかしながら、本作でも主に欧米の極めて普通な文具の蒐集欲が全開。
写真撮影のために前作では大量のロディア、エルコのパッド類を、
今回もボールペンなど大量の箱買い、複数買いを決行し、
「自分はいったい何をしているのだかなどと思ったのだが」
と思わず我に返ってしまうフレーズや、
自分でもあきれるほど大量にストックされたノート類について、
「何冊ものノートブックをこんなふうに徹底的に使いきりたいという願望は、
それをこれまで一度も実行したことがない」
といったような、ほとんどの文具好きに共通しそうなエピソードの数々に苦笑。
著者の文具に対する指向は、数々の写真や本文を読むとわかりますが、
「使う」よりも「愛でる」。
ただ「愛でる」といっても登場する文具類はブランドにほとんどこだわっていませんし、
入手に関しても現在の環境であれば、比較的容易(そう)なものばかり。
高価そうなものもほとんど見られません。
国産の文具にはない雰囲気のものを自身の感覚で蒐集し、それらを愛でながら、
「さぁて、どうやって使おうかなぁ..」といった妄想(?!)を愉しんでいる様が
そのまま文章化されています。
なので本作でも、リアルに自分の感覚と重ねながら楽しく読み進めることができました。
片岡氏こだわりの「生け花」ならぬ「生け鉛筆(!!)」の写真も必見かも♪
前作では写真にあった
Stypen に心惹かれ購入に至りましたが、
今回は写真で複数紹介されていたような、海外製の素朴なステープラーでも
いずれ購入してみようかなぁ、なんて妄想しているところです。
・ ・ ・
(※)追記です。
「原稿用紙」ですが、改めて読んだら登場してました。すみません。
過去を回想するエピソードの中で、コクヨのものが写真とともに紹介されています。
Posted by bunkichisan at 23:39│
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